プカプカ44・Oct-1-2005 |
沈子黙考2 いしいただし 浮子・沈子のいろいろ (石井原図) ◎ 浮子と沈子は最初は自然のものを使いました。浮けばいい、沈めばいいとなれば、浮子は木、軽石、竹、樹皮などでした。今でも私たちは海岸でそれらの浮子を拾いますよね。アベマキなどの厚い樹皮はコルク状になっているので、ヒモを結ぶ切り込みを入れて、楕円状に加工したり・・・竹でも南の方の竹は空洞になっていない中がつまったものがあります・・・実竹です。完全につまったものもあり、僅かに中央が空洞になったものは、これにヒモを通すことができますよね。木もそうです。 ◎ フィリピンに行った時には、漁村を歩いてみました。そこで網を見ていましたら、ゴバンノアシを半分に割り、種子をとり出して、殻の部分にヒモを通して網にくくりつけてありました。沈子はサンゴでした。 ◎ 軽石なんか、日本列島火山ばかりですから軽石は多くあります。それだけでなく、大平洋の海や島も火山だらけですから、海流にのって、大小さまざまな軽石が寄っています。これも利用されました。 繊維・織物の技術と進歩とともに網は大きくなったり、細く、こまかになり魚の種類で、沈子や浮子の形や、くくり方も異なってきたんですね。 2005年ウキウキ研修会 (上) はやししげお ウキウキ研修会・網がけ講習会の後で(原図 田中) 去年に引き続き、今年も北海道支部主催・ウキウキ研修会が9月3〜4に開かれました。皆さんには去年から誘われていましたが発掘の日程と重なり参加できませんでした。 今年は9月になったものの、様似の田中さんから強く誘われ、「千歳まで送り迎えします!」と言われたものですから、一週間前に特割チケットを買い、行ってきました。 3日の朝、朝食もそこそこに、みなさんより一足お先に、様似の浜に案内されました。「林さんのために、しばらく歩いてありません」というその浜は、数歩進んだだけで化け縄の浮き玉が転がっていました。 夢中になって写真を撮っていると、田中さんの「ほら、あそこにも・・・」の声。写真を撮っている間に浮き玉を見つけて、拾わせてくれるのです。『そんなに慌てさせないでくれ〜』と、私は贅沢な悩みを味わいました。前回の台風の後に歩いてないようなので、浜には漂着物が多く、それに加えて昆布の打ち上げもあり、海の匂いを強く感じました。 漂着物にはやはり北のモノが多く、昆布の他にもロシアの鉄製ウキ、貝もユキノカサガイ、多くのツブ貝の仲間など、目新しいものが多くて、ウロウロするばかりでした。そしてチョウチョガイも打ち上げられていて、大喜び!!・・・でも、これはどこの浜にもあったのですが・・・さて、そんな私の前には浮き玉が三つありました。それに付いていたロープを手繰れば、黒っぽい砂の中から出てきたのは、化け縄漁具一式。フックこそは外れていますが、網がけした直径6.5cmのガラス玉が7個ついたもの!!もう、これだけで小躍りしてしまいました。 砂に埋もれた化け縄漁具(原図 林) でも、北海道の奥の深さはそれだけではありま せんでした。しばらく歩いたら満潮線上に明るい水色のシリンダー浮きが転がっているのです。わたしはこれでアドレナリンがドバーッと出てしまい、やや放心状態・・・なのでした。 こんな北海道のビギナーズラックを体験したおかげで、その後はちょっと冷静になって漂着物を探すことができるようになりました。 皆さんとの集合時間には間があったので、浦河町の海岸に出かけました。海岸沿いの凸凹道をジムニーに乗せてもらって進むと光る物体が・・・『田中さん、停めて!!』かけ降りてみたら、浮き玉が3個寄せてありました。これは海の神様の悪戯かな? 北の浜とシリンダー浮子(原図 林) 10時過ぎに浦河郷土博物館で、中司さん、小林さん、藤山さんと落ち合い、展示を見学。そんなに大きな博物館ではありませんが、地元のモノを有効に活用し、展示した好感のもてるところで、浮き玉もどっさりあります。 次に三石町の浜を歩きました。途中でえりもの石川さんも加わり、BC。この浜はチャートの細礫が多く、五色浜といった趣で、水槽の下に敷きたくなりました。 三石町二つ目の浜は、通称温泉裏浜で、マキちゃんが時々歩いている場所だそうです。ここの断崖には、ハヤブサの餌場があり、私たちが近づいたためにハヤブサは飛び立ちましたが、その下には、アオバトなどの餌となった鳥の羽毛が散らばっていて、鳥好きな私とマキちゃんとは、BCを忘れ、羽集めに必死!!わたしはハヤブサの羽を拾って御機嫌でした。今年初参加の藤山さんもここで浮き玉をゲット! 浜歩きでお腹の減った私たちは、魚屋さんで昼食。頼んだ「海鮮かき揚げ丼」のボリュームはすごく、三つあった、かき揚げの一つをマキちゃんの焼きガレイと交換しても、完食できませんでした。 その後は様似町に戻り、公民館で開かれていた砂金展を見学し、田中さん宅の通称「アバら家」を見せてもらいました。車庫の一部を使った浮子玉倉庫で、浮子玉の総数五百個は下らないでしょう。これだけの量を、ここ2・3年で集められたというから驚きです。 夕食のジンギスカンの食材を仕入れ、夜の浮き玉網がけ講座の講師・中津さんを乗せ、アポイ山荘へと向かいました。 田中さん宅で浮子談義(原図 田中) 楽しい夕食の後は網がけ講習会の始まりです。講師の中津さんはアンモナイトや貝のコレクターとしても有名で、これまでも数々の博物館などに収集品を寄贈されています。中津さんは器用な方で、化石のクリーニングから網がけまでやってしまうおじいさんでした。中津さんから、基本的な網がけの方法を教わり、その後は夜が更けるまで漂着物自慢やら、漂着物談義に花が咲きました。 from Editor ウキウキ前夜祭へのお誘い。 文字が読みにくい時にはポスターをクリックしてください。 漂着物学会総会が、今年は東京・神奈川で10月29〜30に行われますが、それにあわせて恒例のウキウキ前夜祭をやりたいと思います。御希望の方は早めに御連絡ください。(10月7日までに御連絡ください。) 日時:10月28日(金曜日)午後6:30より 場所: 論々亭 (居酒屋) 横浜市神奈川区鶴屋町2-16-10 横浜駅西口 東京方面に徒歩5分 東急ホテル前の道を進み、橋を渡った2つ目の角を右へ 横浜スポーツプラザ前 この場所は、エマさんのお薦めで、何軒も試食をされたようです。横浜駅前なので東京方面の方でも、便利なのでは?今の所、私の他にエマさん、久保さん、小林さん、田中さん、石川さん、鈴木さんの参加が予定されています。 ウキウキ前夜祭は午後6時から行う予定でしたが、午後6:30よりに変更させてください。すいません。 暑さも彼岸まで・・・の言い伝えの通り、最近やっと過ごしやすくなってきました。今年の夏は、例年にもまして暑かったですね。皆様のフィールドでは、そろそろ漂着物が増えている頃でしょうか?わたしもやっと普通に浜を歩くことができるようになりました。でも、なんか北海道ボケのせいか、ペットボトルが浮き玉に見えて仕方ありません。 |
by uki-puka
| 2005-10-01 00:00
| プカプカ通信
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