プカプカ通信156・Sep-27-2016 |
1年ぶり、渥美でウキウキ はやししげお 愛知県渥美半島の太平洋側、通称・表浜は片浜十三里とも言われる連続した浜で、その多くが海蝕崖の下にある砂浜です。もちろんチャートの岩体からなる磯のエリアもありますが、それは一部です。砂浜のほとんどのエリアはテトラポッドが設置されていますが、風、波浪などの状況により、埋もれてしまい自然海岸に見えることもあります。それでも初夏から秋口にかけては漂着物の多い場所なので、夏場のフィールドになっています。 2016年の初夏、今年はどんなもんかと期待をして歩き出しました。ちょうど海流図を見ると、潮岬に接近した黒潮が大きく蛇行することもなく、わりと本州南岸に沿って進む2012年と同じような流向を持っていたので、期待が高まってしまいました。けれども、期待に反し、南方系の漂着物は少なく、そればかりか、漂着物が全般的に少なめで写真のようにきれいな海岸で夏を迎えました。 夏場は恐竜発掘もありますし、浜辺は灼熱地獄で、そう長い間歩いていられません。歩くにしても日の出から4時間ほど。それに日没前の数時間しか、まともに歩く気にはなれないものです。 そんなわけで、9月の浜歩きを楽しみにしていました。9月初旬に日本に接近した台風13号は、中部地方の南岸沿いを北上し東北に上陸しました。おかげで中部地方に大きな影響はなく、波の高さもそう高くありませんでした。そして吹き返しの風向きなどから、稀に見る台風通過後に期待のできそうなパターンだったのです。9月6日の午後から、9月8日の午後にかけてのおよそ二日間、伊良湖岬周辺では南よりの風が吹き続けました。その後は北西の風に変わりましたが、これは良いパターンなわけで、わくわくしながら9月10日、渥美半島へ車を走らせました。そして浜に降り立てば、予想通りの漂着物ラインが満潮汀線よりも少し上に、漂着物帯をかたち作っていました。 そして漂着物帯を歩けば、ウスベニコウイカや、大量のギンカクラゲの「骨」そして大き目のルリガイなどが出迎えてくれました。 さて、そんなオレを元気付けてくれたのは浮き玉でした。漂着物帯を追って歩いていきましたが、テトラポッドに近づいたあたりで漂着物帯が途切れました。10mほど先には漂着物帯が復活していたので、そのまま歩こうかとも思いましたが、テトラを乗り越えてみたら浮き玉発見! この3PM、これまでもプカプカ通信で紹介していますが、簡単に解説しますね。3PMは、三つに分かれる型に入れて成型したものです。この表面に二つの筋が見られます。一つは地球儀の赤道の位置を一周しており、二つ目は赤道上から北極点を通り反対側の赤道まで北半球をまわるものです。そして、3PMの多くは肩の位置にマークがあり、これにはⅢが記されていました。アメリカの文献(Glass fishing floats of the World-The collector’s price guide and identification handbook 2nd Ed.Stu Fransworth and Alan D.Ramer.2005,Gorham Printing,Rochester,WA USA)などでは、この3PMがソ連製のものだという記述もありますが、青森にあった佐々ガラスの作ったものだと思っています。佐々ガラスに関しては、プカプカ通信47号に、「印入網葉玉製造法」という3PM製造に関する記事があります。中部地方の太平洋側では、なかなかチャンスが無い浮き玉との出会い、こんなの見つけるともう満足しちゃいます。 今年も漂着物学会で会いましょう すでにみなさん申し込まれているとは思いますが、第16回 漂着物学会北海道大会が札幌の北海道博物館で10月22~23日に開かれます。北海道博物館では、第6回企画テーマ展 きれい?不思議?楽しい!?漂着物 ―北の海辺でお宝みっけ!展が、学会にあわせ10.14(金) - 11.27(日)まで開催されます。 ビーチコーミングは23日に望来海岸で予定されています。そして、様似の田中さん主催のウキウキ研修会もその後ありますので、お知らせします。申し込みや質問などは直接田中さんまでお願いします。 ーおしらせー 10月23日漂着物学会ビーチコーミング終了後、様似町におきまして、「拾い放題ツアー」を開催いたします。 ご希望の方は田中まで申し込んでください。 10/23~25 の2泊3日 石狩からは、乗り合わせて様似に向かいます。 宿泊は、アポイ岳調査研究支援センター(予定) 会費は、数千円です。 . |
by uki-puka
| 2016-09-27 12:00
| プカプカ通信
|
<< プカプカ通信157・Oct-2... | プカプカ通信155・Jul-7... >> |