プカプカ通信155・Jul-7-2016 |
「海の詩集」の紹介 はやししげお 2016年5月26日、東京のコールサック社(コールサックとは石炭袋の意味)より、表題の「海の詩集」が刊行されました。その編者の一人は、みなさんおなじみの若宮明彦こと、鈴木明彦先生です。 彼は、漂着物学会では貝の先生として知られていますが、専攻は地質学・古生物学です。またそれだけでなく、これまでに「貝殻幻想」、「海のエスキス」、「北方叙情」などの詩集や詩論集を発表されています。 「海の詩集」は、現代詩人と物故詩人とのおよそ70名の海の作品を集めたアンソロジーです。もちろん彼の作品もあり、その中から一つArgonauta-漂着者を紹介します。 Argonauta-漂着者 東シナ海の潮境で小さな光を見た それはすべて黄水晶の粒であった 光の壁を幾重にも幾重にも束ね 一千万年の眠りについていたのだ ギリシアの王子イアソンは船旅に出た 船大工アルゴスの造った巨大船に乗り 勇士ヘラクレスと名医アスクレピオスを従え 〈黄金の羊毛〉を求め大洋をさ迷い続ける ふと長い夢からさめると ここは〈黄金の国〉ジパング ユーラシアの東縁まで流されたのか 対馬暖流のゆりかごから離れ 北西の〈アイノカゼ〉に揉まれ エゾ・イシカリペツの砂丘へ漂着 アンソロジーに収録された詩も素晴らしいのだが、「潮風のローマンス」と題された巻頭の編者の言葉がたまらない。ほんのさわりだけを紹介しましよう。 地球儀をぐるりと回して、北半球を眺めてみよう。次にわたしたちのなじみ深い北半球の周辺をじっくりと見てみよう。キリのいいように北半球の赤道と北極を二分した北緯45度線をたどってゆくと、日本列島の北方の島、かってエゾ地とよばれた北海道へとたどりつく。本州とサハリン(樺太)に挟まれた北海道は、北東を頭としたイトマキエイのように元気よく飛び跳ねている。知床半島・根室半島が頭、渡島半島が尾にあたるとすれば、左右のヒレが宗谷岬と襟裳岬にそれぞれ相当する。 こんなイントロダクションで始まる「潮風のローマンス」、地理的な硬質なことばと詩的なインスピレーションの融合で、ぜひ多くのビーチコーマーに手にとって読んでもらいたい一文です。 そしてこの一文は、先日亡くなられた石井忠先生へのオマージュのように映ってなりません。 2016北海道ウキウキ研修会inアポイ 田中マサヒト 6月25-26(土日)様似町アポイ岳のふもとに北海道各地からつわもの達、いつもの6名が集結し、2012石狩-厚田研修以来4年ぶりの「北海道ウキウキ研修会」を賑々しく開催したのであった。 それぞれ、この日のためにお肉や脂肪をたっぷり溜め(二人以外は)決して弱みを見せぬように、お腹を突き出し「おひさしぶりぃ~」などと会話を交わして始まったのである。 日高の横綱 石川氏と田中。十勝の横綱 小林氏と藤山氏と行司の中司氏。札幌から若年寄の圓谷氏6名である。どこから見ても、怪しげな仲間内である。 それはさておき、土曜日のお昼にアポイ岳ジオパークビジターセンターに集合し、さっそく腹ごしらえのためホテルアポイ山荘にビジターでもらったジオ得クーポンでジオカレー、ジオ天丼、ジオ担々麺をそれぞれ食べました。この券は、この日ならお風呂がタダで入れるという特典付きなのです。昼食後天気はいまいちだったのですが、浜を歩きたいというので以前に漂着仏が上がっていた、アンモナイトが時々拾える浦河の浜を歩きました。日高本線が不通になっているので、どうどうと線路を歩いて浜に入ったのです。 いまいち何も無い浜でしたが、マキちゃんが小さなアンモナイトが3個ほど入った石を拾ったので、案内役としては一安心でした。 翌日の日曜日は、雨降りで天気が・・・超いまいち、浜歩きは無理なので、その朝にNHKで放送された「自然百景」に感化され、様似特産の「カドバリヒメマイマイ」の採取に山に行ってきました。どうにかそれぞれが2個体ほど取ることができました。 その帰りに昔開催した「北海道大漂着物展」の時にお世話になった「バイナリー小林さん」が最近自分で建てられたログハウスを拝見させていただきました。漂着物展の時に飾られていた流木のランプなど懐かしいものもありましたよ~・・・ここで、忙しい、えりも町産業振興課石川課長と別れ、浦河郷土博物館を見学し、浦河で昼食をとって解散しました。 天候には恵まれませんでしたが、10月の漂着物学会北海道大会に向けての一歩にはなったはずです。皆さんお疲れ様でした。食べすぎには注意して札幌でお会いいたしましょう。 (10月に開催の漂着物学会北海道大会終了後、2泊3日ぐらいで様似町において研修会を予定しています。) . |
by uki-puka
| 2016-07-07 07:39
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