プカプカ77・June-10-2008 |
北海道浜益海岸の漂着物 鈴木明彦 岩見沢から札幌に転居してひと月ほどたちました。海に近くなったことはやはりうれしいことです。自宅と研究室の片づけも一段落したので、先日は日本海側の浜益海岸を散策しました。 浜益は、札幌の北東おそよ70キロメートルに位置する街です。平成の大合併によって石狩市浜益区となりました。内陸の岩見沢からは片道100キロ以上もあるので、以前は通り過ぎただけでした。浜益の郷土館に貝化石があるとの情報を、知人の学芸員のHさんから教えてもらったので、どんな標本か気になって訪ねたのでした。 (写真1) まず今回の目的のはまます郷土資料館に向いました。この資料館(写真1)自体がニシン番屋(旧白鳥家番屋)を改築した建物です。館内はかつての浜益村におけるニシン漁に関わる展示がメインです。また、漁労用具も多数並べてあり、その中には大きなガラス浮きもありました。そして隅の方にココヤシ(写真2)が展示されているのに気づきました。平成4年(1992年)に浜益海岸に漂着したものだそうです。なお、貝化石はあまり良い保存状態とはいえず、詳しい鑑定は難しそうでした。 (写真2) (写真3) 天気も良かったので、郷土資料館前の礫浜をしばらく歩きました。そしてガラス浮子(写真3)を発見しましたが、岩場に隣接しているためか、漂着物は少なめでした。見つけたものは、貝殻、ウニ、プラスチック浮きなどで特にめずらしいものはありませんでした。この後、厚田の朝市に立ち寄り海の幸を調達して帰路につきました。 写真3 徳島浮子情報 池渕正明 ビィーチコーミングをする人が増えてきて、徳島にも、近年、外国浮子がたくさん流れ着いていることがわかってきました。 そこで今まで(2008/6/1現在)の徳島周辺の漂着浮子について整理してみたいと思います。 1.台湾オレンジ浮子 たくさん漂着しております。たとえば、最近目立ち始めたダブルリングの陽刻の入った浮子(写真1 浜直大 2007/10/27 高知県室戸市入来海岸 2号)です。林さんによると、昨年あたりからあがっているようで、要注意です。また香港と陽刻の入った中国オレンジ浮子(写真2 池渕、2007/10/14 鹿ノ首 2号)も見つかっています。 (写真1) (写真2) 2.ブルー浮子、紡錘角、丸、豆、分銅、 これもたくさん上がっております。台湾に近い淅江省あたりから黒潮に乗ってやってきたのでしょう。 3.韓国丸浮子 数はそう多くないですが、上がっております。これはどのようにして来たのか謎です。 4.ベトナム浮子 私の知っている限り11個です。 茨木靖(2003/1/14外ノ牟井、パステルグリーン 10.5cm陽刻:CON白鳥NGONG LAC 10P5 HUNG あめ玉型) 池渕正明(2005/11/13 鹿ノ首 グリーン 7cm、かなり磨り減り 陽刻判らず) 浜直大 ①2006/5/3 田井ノ浜、グリーン 約8cm VINH PHUONG、裏COIN BRANDのマーク ② 2006/11/27 外ノ牟井 イエロー 6.8cm PHUONG BINH 裏CON SO 間に貝のマーク ③ 2006/11/27 外ノ牟井 グレー 11cm 磨り減っていてわからない ④ 2007/1/4 高知県仁淀川河口 イエロー 7.5cm DA NANG 裏 LT TAN HOA ⑤ 2007/7/20 木岐 イエロー 7.5cm Lien? Chuan(筆記体)裏 魚の絵 ⑥ 2007/10/19 田井ノ浜 ダークグリーン 破損している 元は11cmくらい 朽ちて陽刻はわからない ⑦ 2008./2/9 高知県東洋町 薄いブルー 8.1cm VINH-PHONG PHUOC・HAI 裏 COIN BRAND ⑧ 2006/2/10 木岐山座の浜 イエロー 7.5cm DANANG 裏 TAN HOA ⑨ 2008/4/27 鹿ノ首 イエロー 7.5cm DA NANG 裏 TAN HOA 5.アルミ浮子 茨木靖(2005/5/19 直径25cm? 鹿ノ首)。 6.ガラス玉 池渕が2004/10/14に初見以来、 西川忠行(2006/9 直径13cm、淡路島 仁頃)、 浜直大 1韓国製? 2006/9/7 日和佐外ノ牟井 深緑色 形は歪 マークなし、直径7.5cm ② 日本製 2006/12/30 日和佐下明の丸(第二展望台下)「DG」のマーク ブルー 6.0cm ③ 日本製 2007/1/21 牟岐町古牟岐?水落? マークなし ブルー 5.4cm ④ 日本製 2007/12/30 日和佐下明け丸 マークなし ブルー 6.6cm ⑤ 韓国製?2008/4/19 日和佐下明け丸 深緑 ガラスの質悪く、形は歪 マークなし 10.2cm と計7個見つかっています。これはとても謎で、太平洋を何周もして漂着したと言う説もあります。 (写真3A) (写真3B) 7.その他、 「珠海」と陽刻された丸浮子(写真3 池渕2004~2006 直径12.5cm 小松海岸)もみつかっています。 以上徳島周辺の浮子について述べてきましたが、何かの形でまとめていたほうがいいと思い、紙面をお借りすることにしました。 From Editor 東海地方は早めの梅雨入りでした。雨が降るとつい浜歩きがおっくうになりがちですが、みなさまの地方ではいかがですか? さて、鈴木さんはこの春からキャンパスが替わられ、岩見沢から札幌へと海がちょっと近くになられたようです。あぁ、羨ましい~!!これからも北の便りをお願いしますね。 池渕さんには、徳島のウキ情報を伝えていただきました。 紀伊水道に面した徳島県ですが、室戸岬から続く浜は日和佐から蒲生田岬まで伸び、黒潮の影響を強く受けています。 前にも鈴木さんが徳島県の鳴門で漂着オウムガイを拾われており、有望な漂着物産地ですね。 今回のレポートでも、ガラスの浮き玉がいくつか報告されており、漂着するウキの中には,太平洋一周をしてきた強者が混じっているのかもしれませんね。 さて、梅雨の時期ですが、晴れ間を見つけビーチコーミングを楽しみましょうね。 |
by uki-puka
| 2008-06-10 17:57
| プカプカ通信
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