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ウキウキ研究会の会報「プカプカ通信」の一部をwebで紹介します。
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プカプカ通信120 ・ Feb-10-2013

            文献の海を泳ぐ     はやししげお
 このごろ、さまざまな調べものはネットが主流となり、文献を探さなくても情報がたやすく入手できる時代になってきました。非常に便利になったわけですがその反面、情報の信頼度に不安があったり、全てを鵜呑みにするわけにはいきません。またアドレスが無くなっていたり、変更されていたりと所在が不安定なこともあります。
 自分が本好きなせいもあって、文献漁りには心血を注いでいますが、探している時には見つからず、あとから偶然出てくることもありますね。今回は、そんな文献ネタを二つ紹介しましょう。


 一つ目はウキの話題です。ウキウキのみなさんなら「緑玉」って言えばスグ分かりますよね。台湾の緑玉とも呼ばれ、直径28cmの緑色のガラスで吹かれた浮き玉で、真ん中のモールド線が目立ちます。この浮き玉は特徴的な二つのロープの輪をジグザグに網がけがされており、これまで見た緑玉の網がけはほとんどがこの方式でした。台湾の緑玉と呼ばれた背景には、いくつかの理由があります。●台湾に近い南西諸島で数多く拾われてきたと言うこと。●ネットの情報で、台湾のマグロ延縄に使われていたとあったこと。●Walt Pich著 Glass Ball・2004の中で台北在住の浮き玉コレクターが、台湾の東海岸にある花蓮(Hua Lien)の漁村で山のように積まれた緑玉の前でポーズを取った写真が掲載されていたこと。この三つがその主な理由でした。けれども、これは中国でも使われているという未確認情報もありましたが、それを立証する物がありませんでした。
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 先日、知人から不要になったと言う1970年代中ごろから1980年代後半にかけてのNational Geographic をいただきました。アート紙に印刷された15年分ほどの雑誌は重くて冷たかったのですが、スクラップをしていたところ緑玉を発見しちゃいました。
 National Geographic Vol.160,No.6 December 1981. P822-823. New world of the Ocean ここでは2ページに渡って、中国山東省青島における昆布養殖の記事があり、昆布を収穫する二人の漁民とともに、あの特徴的な網がけの緑玉が海面に二つ浮かんでいるところが掲載されていました。記事によれば第二次大戦後、日本からもたらされた方法で昆布の養殖がはじまり、種苗ロープのブイとして緑玉が使われていました。ですから、1980年ごろには、中国で緑玉が使われていたのは間違いないでしょう。
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 National Geographic Vol.160,No.6 December 1981. P822-823. New world of the Ocean の掲載写真。(使われている緑玉の網がけは、特徴的な輪にしたロープ二つをジグザグにつないだもの。)
ただ、この緑玉がどこで作られたかはいまだに不明です。養殖用に使われていたと言うことになれば、中国で作られていた可能性も出てきますね。



 さて、お次は伊良湖焼です。お好み焼きではないですよ。わたしが伊良湖焼を知ったのは、石井先生の「漂着物の博物誌・1977」からなので、もう30年以上前のことですね。この記述は「日本残酷物語・貧しき人々のむれ・1959」によるものとあり、平凡社日本残酷物語・海辺の窮民にはこうありました。
 『三河湾の口を限る渥美半島の突端伊良湖岬はやはり難破船の多いところで、その難風は伊豆とおなじイナサの風(東南風)であったから「イナサとこいやれデンゴロリン」などという言葉ものこっている。イナサの風よ来やれ、船をデンゴロリンとくつがえせという歌である。難破船のなかでも常滑焼のような陶器を積んだものは荷の重さのために難破の率が高く、そうした陶器は波にうちよせられて、砂浜のなかに埋もれていることも少なくなかったので、土地の人はそれを砂中から掘り出してきては売った。元来伊良湖は陶器を製造したことのない土地であったが、人々はこうして砂中から掘り出して売るものを伊良湖焼といったという。伊良湖焼は帆船の沈没がほとんどなくなってしまうころまで、この地の名物であった。』

日本残酷物語〈1〉貧しき人々のむれ は、平凡社ライブラリーで、現在入手可能です。


 伊良湖焼は柳田國男の著作の中にも見られ、明治31年伊良湖岬に遊んだ時の紀行文遊海島記(明治35年雑誌太陽に発表した伊勢の海を改題)にはこうあります。
『難破の災は昔も今も屢ゝ耳にすることなり。久しき前伊万里の陶器を積みし船、江戸へ上る路にて、神島の沖に疾風に遭ひ、遂に此浦に来て覆りし、其折巧優れたる数々の寶の、海底深く沈みたるが、中には形の全きもありて、貝取る海士の潜き入る者、折々拾ひ上ぐることあり。年月経たる潮の匂に、殊なる趣の更に添はれるを、人々戯れに伊良湖焼など名けて玩ぶを見るにも、昔想はれて哀なり。近頃灯台の設けも備はりて、海路安らかに為りたれど、猶時時の風浪は遁れ難くてや、浅ましく悲しき物語の、伝へらるゝもの多きなり。』(定本 柳田國男集 第二巻 筑摩書房 1968より)

柳田國男集・第二巻は古書店などで入手可能です。

 さて、先日「三州奥郡 漁民風俗誌」復刻版を入手しました。これは松下石人氏が昭和16年9月に脱稿されたもので、渥美の漁師風俗を描いたものです。ここでは、「浜で拾った話」というエッセイの中に伊良湖焼が出てきますので、ここに紹介します。
 この18のエッセイを集めた「浜で拾った話」には、柳田國男の紀行文遊海島記にもある伊良湖焼のほかに、岬からほど近い神島からやってきた島の人が島に戻る際に、岬の小山で狼煙(のろし)を焚き、迎えの船の合図にしたエッセイがありました。また浜寝と丸寝では、柳田國男の遊海島記にも触れてあることから、「浜で拾った話」の一部は
柳田國男にインスパイアされて、遊海島記に松下石人氏が地元で見聞きした知見や脚色を加えたところがあったのかもしれません。「浜で拾った話」には、ほかに小判を拾った話、人食いザメ、波のせ、土左エ門、浜病など興味深いものがイッパイ載っています。
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「三州奥郡 漁民風俗誌」復刻版(1050円+郵送料必要)は、現在入手可能です。
ご希望の方は、田原市博物館にお問い合わせください。
〒441-3421 愛知県田原市田原町巴江11-1 TEL.0531-22-1720 FAX.0531-23-3770
田原市博物館HP http://www.taharamuseum.gr.jp/index.html
田原市博物館ミュージアムショップHP http://www.taharamuseum.gr.jp/shop/

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by uki-puka | 2013-02-10 17:56 | プカプカ通信 | Comments(2)
Commented by sato at 2013-02-11 16:43 x
残念ながら、ガラスの浮き玉には全く縁がありませんが、「漁民風俗誌」の伊良湖焼きのエッセイはとても面白いですね。脚色はあるにしても、情景が目に浮かぶようです(笑)。
Commented by beachcomberjp at 2013-02-11 20:15
satoさん
 まだ、ガラス玉との出会いがありませんか。でも、きっとそのうちありますよ。
 伊良湖焼、なかなか面白いでしょ。冬になって浜崖ができると、ついそんなのがないかと、目で追ってしまいます。

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